「霧島ティータイムズ」(第436号)

「霧島ティータイムズ」(第436号)

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 目次 

  1. 降っても、晴れても
  2. 「市役所ロビー展」について
  3. 便利グッズのご紹介
  4. 福祉会通信(都城)
  5. 友の会メロディ(第213回)
  6. 読者作品ばこ
  7. お薦めデイジー図書のご紹介
  8. 新刊案内(デイジー図書及びテープ図書)
  9. 新刊案内(点字図書)

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 降っても、晴れても(館長エッセイ)

本誌434号の、このエッセイに掲載した都都逸が、なにかと話題になりました。多くの方より「都々逸をもう少し紹介してください」とのご要望を頂戴しました。

 そこで、今回は、もう少しだけ書かせていただきます。

 おさらいになりますが、都々逸とは、江戸時代に完成したと言われる代表的な座敷歌で,典型的な7・7・7・5型の定型詩のことです。

それでは、作品をご紹介します。

「嫌なお方の 親切よりも 好いたお方の 無理が良い」

「白だ黒だと けんかはおよし 白という字も 墨で書く」

「ちらりちらりと 降る雪さえも 積もり積もりて 深くなる」

「察しておくれよ 花ならつぼみ 咲かぬところに 味がある」

「明日は雨だと 君から聞いて 傘を忘れる 用意する」

「包み隠して しまったはずが 溢れこぼれて 頬伝う」

「粋な桜の 一枝よりも 地味な松葉の 末長く」

「逢わねば逢わぬで 苦労に苦労 逢えば逢ったで また苦労」

「いっそ聞こうか いや聞くまいか たたむ羽織に 酒のあと」

「井戸のカエルと そしらばそしれ 花も散り込む 月もさす」

「手紙の最後を 三行空けた 君は読めると 信じてる」

「色気離れた 墨絵でさえも 濃いと薄きが あるわいな」

「色で迷わせ 味では泣かせ ほんにあなたは 唐辛子」

「下駄の歯形に 未練を残す つらい別れの 雪の朝」

「憎い雨だと 小言を言えど 好いた同志の もやい傘」

「花に浮かれて 来る蝶々も 風が邪魔する 世のならい」

「一人で差したる から傘ならば 片袖濡れよう はずがない」

「夫婦喧嘩は 三日の月よ ひと夜ひと夜で 丸くなる」

「右を立つれば 左が立たぬ 両方立つれば 身が立たぬ」

「惚れさせ上手な あなたのくせに あきらめさせるの 下手なかた」

「赤い顔してお酒を飲んで 今朝の勘定で青くなる」

「くじも当たらず 出世もなくて 今日を生きてる 運のよさ」

 皆さま、いかがでしょうか?

 三味線とともに歌われるなんて遊び心もあり、なんだか粋な感じがしませんか?

 それぞれの都々逸から、「その感情、わかります」や「これ経験したことがあります」など親近感も感じます。

 本誌の次の項目でご案内いたしますが、今年も市役所ロビー作品展を計画しています。

 ぜひ皆さまオリジナルの都々逸づくりにも挑戦してみませんか?

 それでは、今回も私のお気に入りの都々逸をご紹介して結びといたします。

「上を思えば 限りが無いと 下を見て咲く 百合の花」

 ②「市役所ロビー展」について 

 今年も11月に、都城市役所1階ロビーで、皆さまが制作された作品の展示会を実施することになりました。

 期間は11月1日(水)~11月30日(木)の1か月間です。

つきましては、ご出展いただける方の作品を募集いたします。

展示スペースの都合で、作品はお一人につき、原則2作品までといたします。

募集期間は、10月2日(月)~23日(月)の開館時間内です。

当館までご持参ください。詳しくは、お気軽にご連絡くださいませ。

 ③ 便利グッズのご紹介 

『クリップ型遮光オーバーグラス C-CLIP(シークリップ)』

〔特徴〕

普段お使いのメガネの上に装着することができる遮光オーバーグラスです。

本体中央にクリップがついていて、メガネのレンズの鼻あて付近をクリップで挟むとメガネの上を遮光グラスが覆います。サイドにこめかみを覆うようにカバーがついているため、横方向のまぶしさも低減します。

暗い場所や夜など遮光する必要がないときは、メガネに装着したまま遮光オーバーグラスだけを跳ね上げて視界から外すことができます。

レンズカラーのバリエーションは26色です。

メガネサイズによっては取り付けられない場合があります。購入前にご確認ください。

*大きさ:レンズ(横)6センチ (縦)4.3センチ

*重さ:21グラム

*付属品:ソフトケース

*フレームカラー:ブラック

*販売価格:8,000円(非課税)

※お問合せ 日本点字図書館 わくわく用具ショップ 電話03‐3209‐0751

 ④ 福祉会通信(都城) 

今年の夏も全国的には、高温・豪雨の到来ですね。私のところに来院する患者さんもお盆の帰省で大変な思いをされたみたいです。台風など来なければと思っているこの頃です。

(今後の行事予定)

▼ボウリング教室

  期日  9月(日にち未定)

場所  ハイレーンズ

▼九州あはき研修会

  期日  10月1日(日曜日)

  場所  県立視覚障害者センター 2階 研修室

  講師  筑波大学名誉教授 緒方先生

  演題  カルテと治療効果について

 くわしくは、電話0986-24-7219(会長 八木)まで

 ⑤ 友の会メロディ(第213回) 

  天才的ネムリスト

音訳部  野辺 敏子(のべ としこ)

今から五十年以上昔、私が二十代前半の頃のことです。当時私は五歳年上のミチ子さんと八畳一間に小さな台所がついて、トイレは共同というアパートで共同生活をしていて、そこから別々の会社に通っていました。その時にミチ子さんが私に付けたあだ名が天才的眠リストです。その訳は布団に横になったかと思うと、2分もしないうちに寝入ってしまい、朝までほとんど目覚めることが無かったからです。一方ミチ子さんは、神経質でなかなか寝付けず、そばでグーグー眠っている私をうらめしく思いながら横目で見ていたに違いありません。

さて、それから五十年以上経った七十代後半の現在。その実力は夜十時に床(とこ)につき、目覚めたら朝といういささかの衰えも見せず健在です。

同年輩の方々には、うらやましがられることもありますが、私としては、年寄りらしくなく、少ーし恥ずかしい気持ちもあるのです。

 ⑥ 読者作品ばこ

8月にご投稿いただいた作品です。

ペンネーム「このは はづき」さんの作品

◆彼岸花 夢を見てたの まだ早い お寝坊しても 十分間に合うよ

(ひがんばな ゆめをみてたの まだはやい おねぼうしても じゅうぶんまにあうよ)

◆台風6・7号 明日は何処か 今日はここ 行方決まらず 翻弄される日々

(たいふうろく・しちごう あすはいずこか きょうはここ ゆくえきまらず ほんろうされるひび)

◆お盆三日 一品ずつ違う 昼の膳 工夫している 美味さ抜群

(おぼんみっか いっぴんずつちがう ひるのぜん くふうしている うまさばつぐん

ペンネーム「まごずきん」さんの作品

◆孫去りて 畳にポツンと 線香花火(まごさりて たたみにポツンと せんこうはなび)

◆焼けた砂 浜辺はいつも 火渡り修行(やけたすな はまべはいつも ひわたりしゅぎょう)

ペンネーム「玉女(たまじょ)」さんの作品

小噺(こばなし)

おい、鶏(にわとり)たち。かかのあと追いかけんか。

スカートをかざして歩く親のあとを、二人の子供は小走りでついていく。

人も鶏も一緒だ。ちなみに親は酉年だ。あっはっは。

 ⑦ お薦めデイジー図書のご紹介 

  タイトル         著者名              時間数    

 いのちの十字路      南 杏子(みなみ きょうこ)    10時間28

【内容】

金沢のまほろば診療所でドライバー雑用係のアルバイトをしていた野呂聖二(のろせいじ)は、医師国家試験に合格し診療所に戻って来た。コロナ禍(か)、在宅介護の現場で奮闘する彼はヤングケアラーの過去を封印し…。「いのちの停車場」の続編。

 

 家政婦 金(きん)さんのドラマみたいな体験日記

石川 金(きん)         4時間54

【内容】

ドアの向こうは、見たことのない日常。57歳で家を飛び出し家政婦となった著者が、そこで出あった驚くべき体験を語る。ドラマみたいな現実のお話。

 木挽町(こびきちょう)のあだ討ち  永井 紗耶子(さやこ)  10時間38

【内容】

雪の降る夜、芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆によるみごとな仇討ちが成し遂げられた。2年後、ある若侍が大事件の顛末を聞きたいと木挽町を訪れる。芝居者たちの話から炙り出される真相は…。第169回直木賞受賞作品。

 魔女の原罪(げんざい)    五十嵐 律人(りつと)      10時間7

【内容】

校則がなく、法律を守ることが絶対視される高校に通う主人公。

とある変死事件をきっかけに、高校と街がかかえる秘密が明らかになる。

 夜空に浮かぶ欠けた月たち   窪 美澄(くぼ みすみ)     7時間49

【内容】

精神科医の夫と、カウンセラーの妻・さおりが営む「椎木(しいのき)メンタルクリニック」。夫婦は、さまざまな悩みを持つ患者にそっと寄り添い、支えていく。

だが、夫婦にも悲しい過去が…。

  タイトル         著者名              時間数    

 ロウ・アンド・ロウ      村山 由佳(ゆか)      15時間59

【内容】

東京の広告代理店に勤める43歳の涼子(りょうこ)は、3歳年下で美容師の夫・孝之(たかゆき)と結婚して13年。夫婦の日常は、一人の女性が現れたことで少しずつ形を変えていく…。激しく切ない夫婦の物語。

 ロゼッタ・ストーン 黒崎警視(くろさきけいし)のM(エム)ファイル

六道 慧(りくどう けい)   9時間25

【内容】

かつての相棒が、省エネ社会を標榜(ひょうぼう)する研究所に潜入中、謎の言葉を残して姿を消した。その痕跡をたどる一方、研究所設立にからむ男の銃殺事件を追う刑事部の灰嶋(はいじま)は、2つの事件の思わぬ接点を知る。痛快警察小説。

【自館製作分新刊案内】

 ⑧ デイジー図書及びテープ図書 

  タイトル         著者名            時間(テープ巻数)      

 温泉アイドルは小学生! 1 コンビ結成!?

令丈(れいじょう)ヒロ子  5時間17分(テープ4巻)

【内容】

花の湯(はなのゆ)温泉に引っ越してきた5年生の春野琴理(はるの ことり)。

ある日、同級生の鞠香(まりか)とほこらを発見。そこから出てきた「和良居ノ神(わらいのかみ)」にアイドルになりたいと願ったら…。「若おかみは小学生!」の姉妹編。

 出世おろし 人情処(どころ)深川やぶ浪(なみ) 5 

  倉阪 鬼一郎(くらさか きいちろう) 4時間45分(テープ4巻)

【内容】

見世(みせ)は繁盛しても、やぶ浪(なみ)の主(あるじ)・浪介(なみすけ)と女房のおぎんには、頭を離れない悩みがあった。子宝に恵まれないことだ。有名な易者の見立てでは、二人で戌亥(いぬい)(北西)の方角に旅に出るとよいという。ひと月の休みをとっての夫婦水入らずの道行き。信濃(しなの)へと向かった二人を待っていたのは、一面にひろがる真っ白な蕎麦の花だった。心温まるシリーズ第5弾。

  タイトル         著者名           時間(テープ巻数)      

 小学校までに親がやってはいけない101(ひゃくいち)のこと

PHPのびのび子育て』編集部 編 3時間8分(テープ3巻)

【内容】

わが子がついに小学生に!うれしい反面、心配や不安は尽きませんね。

「へこたれない子」に育てるために親ができることとは。

生活習慣をつける、学力・能力を伸ばす等に分けて、やってはいけないことを紹介。

 詩集 人生は哀しみだらけ 汐海治美(しおかい はるみ) 36(テプ1巻)

【内容】

「へなちょこの詩」でもいい。日記のように書き続ける。第5詩集。

100ページで人を動かす!心理戦 その気にさせる神ワザ篇

サイコロジー・クラブ 編   2時間51分(テープ2巻)

【内容】

その人間関係が、一瞬で“いいつながり”に変わる! 行動経済学と社会心理学を中心に、人を動かし、心理戦に勝ち抜くための知識とテクニックを紹介。企業や組織の円滑な発展に欠かせない概念として今、注目を集めている「心理的安全性」についても触れる。

 ⑨ 点字図書  

  タイトル            著者名              冊数  

 あなたの明かりが消えること  柴崎 竜人(しばざき りゅうと)    3

【内容】

あなたは家族を大切にできていますか?

孤独な日本画家と、それを支える一人の女性を描いた、愛しく切ない家族小説。

 こぐまのクーク物語1 春と夏    かさい まり         1

 こぐまのクーク物語2 秋と冬    かさい まり         1

【内容】

「たのしい、おいしい」大自然の感動物語。新しい名作児童文庫、誕生!

料理レシピ付き。

『魔女の宅急便』の作者・角野栄子(かどの えいこ)さんも推薦の児童書。

  タイトル            著者名              冊数  

 ザ・ギフト 聖夜の奇蹟の物語  セシリア・アハーン         4

【内容】

出世のため仕事に猛進するルーは、家族と向き合う時間もない。

ある朝ルーは、ホームレスに仕事の世話をするが、その男ゲイブの超人的な仕事ぶりに恐れと不安を抱く。

職場で窮地に陥り、私生活でも岐路に立つルーに、今度はゲイブがある“贈り物”をするのだが…。ゲイブは何者なのか?本当にかけがえのないものとは何なのか?

ベストセラー作家が描く、奇蹟の贈り物。

 ジグソーステーション    中沢 晶子(なかざわ しょうこ)     2

【内容】

東京駅で出会った主人公とおじさんの不思議な物語。

学校が大きらいの小学生・真名子(まなこ)は、駅に住みついたおじさんと知り合う。

彼には戦災で行方不明になった弟がいた。ある日、白い猫を追って駅のドームの下の開かずの扉をくぐりぬけた真名子は、タイムスリップし…。

巻末に東京駅の歩み(歴史)も掲載し、現在と過去をつなぎます。

 落葉(らくよう)    高嶋 哲夫(たかしま てつお)       4

【内容】

「最後まで自力で歩きたい?それなら、もう踊るしかない!」

パーキンソン病を患い、鬱屈した日々を送る内藤。

還暦を迎えても何とか一人で歩いていたが、ある日街で姿勢を保てなくなり倒れてしまう。助けたのは通りがかりのユーチューバーやゲーム好きの学生らだ。

この出会いが内藤に変化をもたらす。病の進行を抑える秘策を彼らと練り始めて…。

衰えに抗う(あらがう)人と世を変えたい若者の心の交流を描く感動作。

  • その他の新刊図書は「こんにちは日々あれこれ」(点字版)及び「テープ都城」(デイジー版、テープ版)でご紹介しています。

都城市点字図書館へのご連絡は、

【電話】0986・26・1948(FAX兼用) 0986・36・5033(電話のみ)

【住所】 〒885‐0077 都城市松元町4‐17

【電子メール】 mkjtenji@circus.ocn.ne.jp

【開館日】 月曜~金曜   【利用時間】 午前9時~午後5時

以上で「霧島ティータイムズ 第436号」を終わります。

Posted by 点字図書館

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